12月9日、中国の広東省高級人民法院(高裁)と世界知的所有権機関(WIPO)仲裁調停センターは、「知的財産権分野の裁判外紛争処理(ADR)メカニズムにおける交流と協力の強化に関する協定」に署名し、国際的な知的財産権紛争解決に向けた新たな協力関係を正式に確立した。

 

 調印式には、WIPOのダレン・タン事務局長、最高人民法院の陶凱元・副院長、WIPOの王彬穎事務局次長が出席した。広東省高級人民法院の院長である張海波氏とWIPO 仲裁調停センターの局長であるIgnacio DE CASTRO氏が協定に署名した。

 

 この協定により、広東省高裁とWIPOは、知的財産権紛争の解決に向けての交流と協力を一層強化することに合意した。具体的な内容としては、調停の委託、人材育成、公共宣伝の展開などが挙げられる。同日、広東高裁はこの協定に基づき、初めての6件の調停事件をWIPOに委託した。

 

 陶凱元副院長は、中国が現在世界で最も多くの知的財産権訴訟事件を審理している国であり、特に広東省がその数で中国全体の中でも際立っていることを強調した。また、外国や香港・マカオに関わる知的財産権事件でも最多を記録している。

 

 この協定の締結により、中国の裁判所とWIPOが相互信頼と協力互恵を深化させ、世界の知財管理システムをより公正で合理的な方向へ導くよう共同で努力することが期待されている。

出所:最高人民法院知識産権法廷公式サイト

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