1 はじめに

 2023年2月に設置された経済安全保障分野におけるセキュリティ・クリアランス制度等に関する有識者会議(以下「有識者会議」という。)は、同年6月に過去6回にわたる有識者会議における検討の結果を中間論点整理 1として公表した。

 高市早苗経済安全保障担当大臣はセキュリティ・クリアランス制度の創設を盛り込んだ法案の次期(2024年)通常国会への提出に向けて年内に最終とりまとめを行うと明言しており 2、有識者会議は中間論点整理を踏まえ、法案化に向けた議論を加速化させている。すなわち、第7回有識者会議(2023年10月11日)では、今後新たに創設されるセキュリティ・クリアランス制度(以下「新たなセキュリティ・クリアランス制度」という。)の「基本的骨格」が示され、また、第8回有識者会議(2023年11月20日)では、情報の機微度に応じた信頼性の確認方法や漏えい等に対する罰則のあり方等について議論が行われている 3

 以下では、第8回までの有識者会議における議論の状況とそのポイントについて説明する。

2 セキュリティ・クリアランス制度とは

 一般に、セキュリティ・クリアランス制度とは、国家における情報保全措置の一環として、政府が保有する安全保障上重要な情報として指定された情報(Classified Information、以下「CI」という。)にアクセスする必要がある者に対して政府による調査を実施し、当該者の信頼性を確認した上でアクセスを認める制度である。

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Originally published by Shojihomu Portal.

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