今日、競争当局の捜査(調査)(以下、「捜査」へ統一します。)は、事前連絡なしに行われることがますます増えており、会社や個人の住居に捜査官が突然訪れ、捜査を行うことが一般的となっています。この捜査にあたり、会社が法令に反する対応を採ると、司法妨害として罰金や拘禁刑が科される事態を招きかねません。実際2010年の初頭、デトロイトにある複数の会社に、自動車部品カルテルの捜査のため捜査官が立ち入った際、ある会社役員がEメール等の証拠を隠滅したことにより、司法妨害を行ったとして1年間の拘禁刑を科されました。また、捜査への対応を誤ることは、本来法令違反がないにも拘わらず、競争当局から不必要な嫌疑をかけられることになります。

しかし他方で、捜査官の指示に盲目的に従うのみでは、捜査を許可された範囲以上に拡大させることになり、また弁護士・依頼者間の秘匿特権を失う可能性もあります。2003年には、欧州委員会が英国内の会社へ立入捜査した際に押収した文書について、弁護士・依頼者間の秘匿特権に関する争いが欧州司法裁判所よって判断された事例があり、委員会が勝訴しました。従って、弁護士・依頼者間の秘匿特権を失う可能性を不必要に招くことを細心の注意を払って避けるべきです。

本ホワイト・ペーパーは、EU、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国、オーストラリア、米国における民事・刑事・行政手続きに関する捜査において、事業所および個人住宅等への捜査が行われた場合、いかに対応すべきかについて各ステップごとに具体的な行為を解説しています。

本ペーパーは、海外で事業を展開し、子会社等を有する全ての日本企業にとって有益な情報と考えますので、紹介します。

詳細は、" How to Survive Dawn Raids and Search Warrant Investigations in Antitrust and Competition Law Enforcement Actions"(オリジナル(英語)版)をご参照ください。

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